毎日行きたくなる、買い物が楽しくなる、
個性的なスーパーマーケット。
大手チェーンはどこも同じで没個性
最近、地方にも楽しいスーパーマーケットが増えてきました。私が楽しいと表現するお店は、個性的なこと。東京であれば、紀伊国屋、ナショナルスーパーマーケットなど、かなり以前から一部の固定客を対象にした個性的なスーパーマーケットがありましたが、地方にも、「高級」という路線ではない個性を持った店がお目見えしています。
個性的な店は、毎日行きたくなる空気感があり、商品を見るのも、選ぶのも、買うのも楽しい店。申し訳ありませんが、没個性の大手チェーンのスーパーマーケットとは対極にあります。大手チェーンのスーパーマーケットは、どこの店に行っても同じ印象。その店がどのチェーン店なのか、またその店が北海道に存在する店なのか東海地方に位置する店なのか、店内に居るとまったく分かりません。同じ商品が並んだ、同じような売り場が広がり、個性とはほど遠いところにあります。特にショッピング・センター内に位置している店など、テナントまでそっくり同じで、匂いや音まで同じ印象を受けることも。初めて訪れる店なのに、“デジャヴ?”と勘違いします。
大手には大手の良さが、ショッピング・センターにはショッピング・センターの楽しさがありますが、生活者にとってスーパーマーケットは、日常的な存在。便利で使い勝手が良く、毎日通える、行きたくなる、気軽さと楽しさが必要です。そんなスーパーマーケットが、地方にはポツポツあります。「私もここに住んでいたら、大きなスーパーマーケットには行かないで、毎日この店に来るだろうな」。そんな気にさせる店です。
行きたくなるスーパーマーケットのポイント
私が行きたくなる店のポイントは、おそらく、スーパーマーケットに最も足繁く通う主婦のほとんどに支持される内容だと思います。細かな点まで挙げるとキリがないので、大まかに3つだけ紹介します。
ポイント1・・・明るさと清潔感あふれる青果売り場
入り口に配置されている青果売り場。お客様の視覚を一番初めにとらえる場所だけに、青果売り場の印象がそのまま、店のイメージになります。明るさとフレッシュ感のある売り場の造り込みがされている店は、それだけでクオリティの高さを感じさせます。特に果物。野菜同様の扱いがされている店が多く、果物が発する鮮やかな色、つややかさ、形の楽しさ、美しさがまったく表現されていないことを、もったいなく思います。欧米と日本のスーパーマーケットのディスプレイセンス(表現力)の違いがまさにここ、青果売り場に見ることができます。
ポイント2・・・活きの良さを感じさせる鮮魚売り場
鮮魚売り場は、活きの良さを伝える空気感が大切です。最近では、刺し身や切り身はもとより、頭付きの魚でも、包材に入った商品がほとんど。これでは、活きの良さは伝わりません。氷や水、木桶や竹、グリーンなど、「透明感のある清々しい涼」を感じさせるアイテムを上手に使ってコーディネイトされた売り場では、魚自らが、「おいしい」をアピール。肉料理にする予定の夕食を、簡単に魚料理に変更させてしまうのです。
ポイント3・・・興味を満たす、選べる加工食品売り場
加工食品やデイリー食品など、同じようなものだけで品揃えをし、選べるようで実は選べない売り場が多いと思います。種類はあるのに、皆同じ傾向のもので、結局選択肢がないということです。「売れ筋」と思われる商品とそれに属する商品を並べることが、チャンスロスを最小にする安全策だと考えている店が多いからでしょうか。女性にとっては、そのような売り場が最もつまらない売り場です。「たまには、買ってみたい、食べてみたい、試してみたい・・・」そんな興味を満たす商品がないのですから。極端な話、「売り」ではなく、「誘い」を目的にした商品、店の「イメージ作り」に効果的な商品、お客様に「興味と楽しさ」をサービスする商品も必要なのでは。そんな商品が並ぶ店は、絶対に買い物が楽しくなる店。毎日行きたくなる店です。 |